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特集 母乳育児成功のための10カ条
第2条 この方針を実践するのに必要な技能を,すべての関係する保健医療スタッフに訓練しましょう
Train all health care staff in skills necessary to implement this policy.
粟野 雅代
1,2,3
1あわの産婦人科医院
2金沢大学大学院医学系研究科博士前期課程
3IBCLC
pp.389-393
発行日 2004年5月1日
Published Date 2004/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1665100726
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はじめに
「10カ条」の第2条は,保健医療スタッフへの教育の重要性について解説されている。
『Evidence for the Ten Steps to Successful Breastfeeding』には,施設において母乳の方針を実行するためにはスタッフへの教育が必要なこと,その内容は知識のほかに熟練したカウンセリングの技能や実践方法の学習も含まれるべきであると書かれている1)。
どの母親と児にとっても母乳育児は自然で最良のことであるが,適切な支援がなければその成功は難しいことが多いといわれている。つまり,母親と児にかかわるすべての保健医療スタッフが適切な方法で母乳支援ができることが理想であろう。ところが現実には日本の助産教育の現場でさえ,母乳に関する十分な知識や技術を学んだり,適切な支援方法を学習する機会が得られないまま,直接ケアに臨んでいるのが現状のようである。
この稿では,第2条の根拠となった母乳育児支援のためのスタッフ教育に関する研究データを紹介し,スタッフへの母乳教育の意義や具体的な教育内容および実践例について述べる。
注) この稿での「母乳教育」とは,適切な母乳育児支援を行なうために必要な知識,技術,カウンセリングなどすべてを含む,産科スタッフ(時には母子を取り巻くすべての医療従事者を対象にする場合もある)のための教育を意味する。
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