特集 地域と施設を結ぶコラボレーションシステム
ふれあい横浜ホスピタルの取り組み
⑤医療と助産のコラボレーション
町田 稔文
1
1ふれあい横浜ホスピタル産婦人科
pp.987,1026-1029
発行日 2003年12月1日
Published Date 2003/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1665100627
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開院までの構想
ふれあい横浜ホスピタルの開院は,平成14年4月である。ることその約1年,その頃は,診療内容の検討ではなく,病院の構造上の検討が中心であり,産婦人科分野の部分でも同様であった。
一般に従来の病院の場合,陣痛室,分娩室と分かれており,特に分娩室は1つの部屋に分娩台が2台置かれ,カーテンなどで区切っている場合が多い。1人の分娩に対応している場合はよいが,2人が並行して分娩を行なうとなると他の妊婦のプライバシーなどで,夫の立ち会いは困難となる。そこで,分娩エリアの設計では,立ち会い分娩が可能なように,個室分娩室(LDR)を基本とした。それ以外に,緊急用や処置用として通常の分娩台を置いた分娩室も設定した。さらに,計画段階では未定だったが,フリースタイル分娩など多目的に使用可能な和様スペースも確保した。設計段階の新生児スペースは完全母乳,母児同室を前提にしたものではなく,新生児室,授乳室,調乳室などのエリアも設けた。幸いにも,それが現在の多少余裕のあるユーティリティースペースになっている。このように,設計段階では具体的には現在の助産師中心の分娩方針は決まっていなかったが,結果的にLDRや和様スペースがフリースタイル分娩を可能にしていった。
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