特集 「ナラティヴ」を読む
「共に歩む人,歩める人でありたい」を読んで
高橋 弘子
1
1愛知県立看護大学
pp.827-830
発行日 2003年10月1日
Published Date 2003/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1665100605
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「助産師の語り」ということ
『助産雑誌』57巻4号の特集,「周産期のナラティヴ―助産師の語りの世界から」のなかの小友由美著「共に歩む人,歩める人でありたい」を読みました。
周産期は妊娠22週以後の出産から生後1週未満の新生児・産褥期ということであり,生物としての人間にとって最も生命の危機と隣り合わせる時期です。助産師は1人の産婦の傍に居て産痛を超えたその先にある希望を産婦とともにみつめようとします。産婦が今の苦しみの中に意味を見つけられるようかかわるなかで助産師である自分を改めて発見します。この時期に2つの命を見守る場にいて出産介助をする職業である助産師の側から出産をめぐる物語を語ることは助産師のケアを見直すことになります。ケアへの想いを共有して周産期におけるケアの意味を深め,ケアする者がエネルギーを得ることになればと思います。
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