連載 とらうべ
生命を脅かす乳房―助産師に求められていること,助産師がすべきこと
溝口 全子
1
1久留米大学医学部看護学科
pp.801
発行日 2003年10月1日
Published Date 2003/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1665100599
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乳房ケア。ほとんどの助産師が妊娠,授乳期に行なっています。しかし,乳房には「生命を育む乳房」の反面,乳がんという「生命を脅かす乳房」もあります。今,乳がんはわが国でも女性のがんの中で部位別年齢調整罹患率1位になっています。
わが国では乳がん治療は外科(乳腺外科)で行なわれています。しかし,授乳中のお母さんが「胸にしこりがある」と気づいた時,まず出産した産婦人科病・医院を訪れます。「助産師がいるから」「産婦人科に“乳がん検診します”と表示されているから」などの理由です。“乳腺炎”と診断され,助産師による乳房マッサージ,授乳指導を受け……でも,しこりは良くならない。そのうちに数か月過ぎ,やっと外科を受診した時は,乳がんが進行している,というケースが少なくないのです。
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