癒しの環境
脅かされない私の空間
松崎 直子
1
1聖路加国際病院8階東病棟
pp.438-439
発行日 1998年5月1日
Published Date 1998/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541902410
- 有料閲覧
- 文献概要
ひと口に「入院患者のプライバシー」といってもその定義付けは難しい.当然患者側には多くの個別的・社会背景的要素があり,一方では,与えられたカーテン1枚が唯一の境界線というような病院環境の物理的な制約が絡んでいる.入院生活が集団生活である以上,各個人の慣れ親しんだ日常をそのまま持ち込むことは不可能であろう.まして日本社会において入院とは,加療・検査・教育などのための選択の余地のない,回避できないものであり,退院までの限られた期間と割り切って医療者側の都合を受け入れて過ごさざるを得ないのが現実のように思う.
Copyright © 1998, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.