連載 英国助産婦学生日記・その25
アルバニー助産婦チーム
日方 圭子
1
1英国・サリー大学助産課程学生(ダイレクトエントリーコース)
pp.173
発行日 2003年2月1日
Published Date 2003/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1665100474
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- 文献概要
11月のある日,ロンドン東南のペッカム地区で活動する助産婦チーム,「アルバニー」を訪ねた。アルバニーはとてもユニークなグループだ。英国の大多数の助産婦が国営医療機関NHSの職員なのに対し,アルバニーの助産婦たちは,NHSには属さず,自営業。でも,NHSと提携しているので,妊婦の医療費等出産にかかる費用はNHSと同様無料となる。そしてNHSのサービスと同様,妊婦たちは地域のGP(一般医)からアルバニー助産婦グループに紹介される。紹介された妊婦には,チーム7人のなかから1人が「担当の助産婦」となって,妊娠・出産・産後を通し「1対1のケア」を提供する。昨年の自宅出産は43%と,国平均の2%を大きく上回る。
●アルバニーの活躍の場は
こんな「贅沢な助産婦のケア」は私の実習先ではもちろん,ほとんどのNHS機関では実行不可能なのが現状であり,独立助産婦が一部の私立の医療保険に加入できる余裕のある人に提供されているサービス,というイメージが強い。しかし,アルバニーが活動するペッカム地区は決して経済的に恵まれている地域ではない。移民人口が多く,駅を出るとすれ違うのはほとんどがアフリカ,カリブ海出身の人たち。商店街もそれを反映してエキゾチックな果物,野菜が並んでいる。
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