特別寄稿
日本不妊カウンセリング学会の誕生とビジョン
福田 貴美子
1
1蔵本ウイメンズクリニック
pp.93,147-150
発行日 2003年2月1日
Published Date 2003/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1665100469
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あらゆる職種からなる学会
2002年11月2日(土)東京・中央区の「労働スクエア東京」において日本不妊カウンセリング学会第1回設立総会および学術講演会が開催された。生殖医療における技術の進歩と治療方法の多様化の中で,遅れていた不妊カウンセリング・ケアを充実させるべく発足した学会で,筆者は初代の会長を任命された。本学会の特徴はあらゆる立場から不妊に悩む人をサポートしていくというところにある。患者の視点に立った納得できる不妊治療のあり方を求め,不妊治療にかかわるすべての職種が会員となり,参加・研究発表できる学会である。今回の第1回の学会には会員,非会員を含め369名の参加があり,どの会場でも熱心な演題発表と活発な質疑がなされた。
学会の構成会員は看護職だけではなく次の4群から成り立っている。1群:医師,2群:看護職,3群:エンブリオロジスト,臨床検査技師,4群:心理関係,その他である(図)。学術集会長も毎年上記の4群から持ち回りで選任されることになっている。初代の会長は患者の最も身近にいる看護職から選任されることになり,多くの諸先輩方の中で僭越ながら私が会長を務めることとなった。肩書きや序列などにとらわれない会長の選任に対し,この学会の柔軟性や可能性を感じるとともに今後も広がりを見せる学会になるのではないかと期待もしている。
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