特集 診療所に助産師を
渋川産婦人科医院での助産師の活動
窪田 裕子
1
1渋川産婦人科医院
pp.689-693
発行日 2006年8月1日
Published Date 2006/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1665100377
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はじめに
当医院は埼玉県川口市にある産婦人科医院で,開院10年目を迎えようやく地域に定着してきたところである。当医院を利用する方は,立地条件の関係上,近隣の女性が多く,リピーターやその姉妹,利用者からの紹介がほとんどである。また,時代を反映して,インターネット検索で“24時間助産師がいる”“自然分娩・家族立ち会い”“母乳育児”“乳房外来”を調べてきたという来院者が増えてきている。
現在,在籍中のスタッフは,常勤医師1名,常勤助産師6名,非常勤助産師5名,常勤看護師2名,看護助手4名である。当院の助産師・看護師の職歴は,総合病院や大学病院の産婦人科病棟,NICU,周産期センター,保健センターなどでの勤務経験が6~10年間以上ある。
助産師は主に,妊婦健診・保健指導,母親学級,両親学級,バースプラン,自然分娩,夫・家族立ち会い出産,フリースタイル出産,カンガルーケア,生後当日からの母児同室,乳房外来,産褥ケア,1か月健診・4か月健診,育児サークルでの“ベビーマッサージ”などを実施している。昨年から,お産を産婦が振り返ることで気持ちの整理ができ,育児開始に役立つのではないかとバースレビューを開始している。
潜在助産師だった私が,当医院に就職した平成13年頃に比べると,当医院の助産師の人数が増えた。マンパワーの充実は,患者ケアサービスの向上のほかに,個々の助産師のもっている能力をさらに発揮できることを痛感している(個人的見解を述べれば,あと1~2名の助産師が増えることを願っている)。助産師の職能を生かし,母乳育児への支援を中心に業務を再検討・改善してきた概要を紹介する。
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