特集 第27回ICMブリスベン大会レポート
助産婦のへそ(立ち返る原点であり歩むべき道への刻印)としてのICM
大久保 功子
1
1信州大学医学部保健学科
pp.1128
発行日 2005年12月1日
Published Date 2005/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1665100342
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心底癒され知的好奇心を鼓舞される大会だった。目当ての発表を聞きたくてもプログラムは日変わり。「これどこかしら?」と訊いて駆けずりまわる助産婦たち。「あなたどこから?」,すれちがいざまの会話だけでも情熱が伝わってきた。子どもと女性のために同じようにがんばっている仲間は世界中にいたんだと,鼻の奥に熱いものがつんとこみ上げてきた。
日本の学会ではおよそ耳にしたことのないフェミニズムとかコンストリクティビズムという言葉が臆面もなく発表で語られ,半分以上が質的(qualitative researchとは言わず,歴史研究,エスノグラフィー,現象学,解釈学的現象学,アクションリサーチと自分の立場を明確に述べた)研究で占められていた。量的研究には磨きがかけられ,ダブルブラインドRCTやら,国をあげてのコホート調査やら,実に良くデザインされた研究となっていた。
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