映画評
映画「バラの刻印」を見て(SHE DANCES ALONE)
長谷川 泉
1
1医学書院
pp.1215
発行日 1989年11月15日
Published Date 1989/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405204805
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20世紀最高のソビエトの天才舞踏家ニジンスキー(1890〜1950)の前半の輝かしい舞台歴と,後半生30年の精神病院生活という人生の明暗を濾化しての不可解な世界が,当のニジンスキーの娘キラや名監督,名優たちによって展開されていた。病める天才を扱う精神病院内部の対応も,世紀末の諸事象を暗示して参考になった。
ニジンスキーを完全な映画にする企ては,有名なヴィスコンティが乗り出して倒れた後も,何人もの監督がその遺志を生かそうとして果たせなかった。今回はロバート・ドルンヘルム監督が,ニジンスキーの娘キラと組んでの妄想を生かしている。
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