連載 バルナバクリニック発 ぶつぶつ通信・20
この国の貧困問題
冨田 江里子
1
1St. Barnabas Maternity Clinic
pp.1062-1063
発行日 2005年11月1日
Published Date 2005/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1665100323
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何かの問題を解決するには,まずその問題を解決したいと関心を持ち真剣に考えることではないだろうか? そういう気持ちが無ければ何も影響を及ぼさない,と感じる出会いがあった。
エミリーの関心事は?
「何で,ここの人間はこんなに子どもを産むの?」。たまたま知り合いになった新聞社のエミリーは,怒りの感情を隠そうともせず私に尋ねた。彼女はマニラにある大手新聞社の社会部編集長の肩書をもち,32歳の独身のキャリアウーマンだ。一見して,かなり優秀な人物と思われる。ほかの用事でここに来たのだが,偶然雨がひどくなりクリニックの待合で雨宿りをしていただけの出会いであった。
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