特集 ―当事者に学ぶ―不妊治療を受ける人々の声
不妊治療―選択支援として看護職に望むこと
まさの あつこ
1
1ジャーナリスト
pp.894-899
発行日 2005年10月1日
Published Date 2005/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1665100292
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当事者の気持ち
「不妊」と一言で言ってもさまざまな状況がある。子どもができても,できなくてもよいと考えている場合。できれば子どもが欲しいと思っている場合。産みたいが,肉体的に困難や無理がある場合(原因判明・不明,加齢,産む機能を病気で失う・医療事故で失う・生まれつき持たない,相手がそのどれかに該当など)。流産経験があるが産みたい,もしくは不安がある場合。治療をすれば産める可能性があるが経済的余裕がない場合。産める可能性があるので治療するが妊娠しない場合。妊娠が可能な方法はなんでも試したい場合。どのような状況下でも自然に任せたい場合。この他の状況もあるだろう。そして,その状況すべてにおいて,周囲からのプレッシャーや摩擦があるかどうかという状況が加わる。
「不妊」は心と身体と家庭の事情が入り混じった状態で,さらに経済事情が絡む。社会全般に望む「不妊」への支援は,「治療を受けたい人が受けられるように。受けたくない人が,受けるべきだというプレッシャーを強要されないで済む」社会をつくるということに尽きる。
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