トピックス
―岩手産婦人科医会講演会 「院内助産院からバースセンターへ」―出産の安全性と快適性を提供するために
小笠原 敏浩
1
1岩手県立釜石病院
pp.752-753
発行日 2005年8月1日
Published Date 2005/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1665100262
- 有料閲覧
- 文献概要
はじめに
岩手県では,出産できる産科施設の休診が相次いでいます。2002年には遠野市の県立遠野病院(221床),2004年に花巻市の県立花巻厚生病院(243床),東磐井郡(千厩町)の県立千厩病院(194床),陸前高田市の県立高田病院(120床),2005年には釜石市民病院(250床),花巻総合病院(290床)が産科休診となりました。
このような事情は県外大学医局の産科医地元への引き上げ,県内出身産科医の突然のリタイア,県立病院のセンター・サテライト方式導入によるもので,産科医の要因が大きく取り上げられました。この状況は恐らくは解決することなく,さらに産科休診が増加することが懸念されます。今こそ,抜本的な改革を行なわなければならないことは間違いありません。
今回は一連の産科施設休診は産科医不足が要因であるとして,産科医の団体である岩手産婦人科医会が「院内助産院構想」を提案する講演会を開催しました。平成17年5月14日(土曜日)岩手医師会館大ホールにて,葛飾赤十字産院(東京)・産科部長である竹内正人先生を講師に約2時間の講演とディスカッションを行ないました。当日は,産科医58名のほか,県内外の助産師,助産師学生,看護教育関連の方々,地方行政の方々,出産事情に興味をもたれている地域住民など140人の合計198名が参加し,職種を問わない活発な討論が行なわれました。
Copyright © 2005, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.