特集 産後のかかわり,もっと気にしませんか?
妊娠中からのチーム継続支援
東川 明子
1
1ベルランド総合病院
pp.400-407
発行日 2005年5月1日
Published Date 2005/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1665100203
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はじめに
近年,人格障害や精神疾患を持つ人が増加しており,それに伴い精神疾患を合併した妊産褥婦も増加しています。このような妊産褥婦では,第三者からの育児支援を必要とすることが多くあります。しかし,人格障害や精神疾患を持つ母親への継続的な育児支援体制は,現在不十分な状況であり,育児支援における助産師の役割が確立されていないことも,この要因であると考えられます。
当院では,「生まれてくる子どもの養育環境を整えることができること」と「母親の精神状態が安定し育児が行なえる」という2点を大きな柱とし,さまざまな専門職種のスタッフで構成されるチームによる継続的な支援を行なっています。その方法として妊娠期からチームで母親とかかわり,母親の養育能力に対する評価と目標(表1)をチーム間で共有し,育児支援体制を形成しています。
今回,私が受け持った複数の事例を振り返り,当院の育児支援の方法をまとめたので紹介します。
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