特集 助産ケアで大活躍の自然療法
メディカルハーブとホメオパシー―妊娠・出産におけるドイツの自然療法
栗原 美幸
1
1ドイツ・マリエン薬局日本総代理店株式会社クォルム
pp.394-399
発行日 2006年5月1日
Published Date 2006/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1665100101
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自然療法に薬事法が適用されるドイツ
ドイツは日本がかつて現代医療を学んだ国の1つですが,一方でメディカルハーブや鍼灸,ホメオパシーなど各種の自然療法が一般に広く普及している国です。また,地域差はあるものの,現代医療の保険医の70~90%が医薬レベルのメディカルハーブやホメオパシーなどの自然療法を理解し,処方できるというから驚きです。医療現場でも,患者と医療従事者とのコミュニケーションはきわめて密で,治療に際しては,自然療法と現代医療をうまく組み合わせた治療も可能な環境が提供されています。患者主体の医療として,当たり前の姿でありながら,他国の医療現場と比較しても自然療法の活用度の高さに驚きます。これはどうして可能になったのでしょうか。
そもそもドイツは,世界でも有数の環境保護大国として自然環境とその保護のための木目細かな法制化でも知られていますが,ドイツの薬事法(Arzneimittelgesetz)には,なんと,現代医療以外に,自然療法の規定までが存在します。自然療法に薬事に関する法規が存在する,ということは,その効果が社会的に認められ,その方法やデータが国によって管理されていることを証明するもので,これは,自然療法の社会的なポジションが民間療法の域を出ていない私たちにとっては驚くべき事実です。
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