グラフ フランスの代替医療ホメオパシー(homéopathie)・1
ホメオパシーの周辺―パリの街で
百々 雅子
1
1山梨県立看護大学短期大学部
pp.718-719
発行日 2003年10月25日
Published Date 2003/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663903494
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ホメオパシーは現在,欧米で盛んになっているいわゆる代替医療と呼ばれる医療の代表格にあるもので,とくにフランスでは1980年代から国の保険適応を受ける公的医療となっている.フランスの代替医療全体をとりまく状況に関してはパリの街からの報告としてすでにこの紙面で書かせてもらったところであるが(Vol. 43 No.8),今回はフランスにおけるホメオパシーに焦点を合わせて,再びパリを中心に報告しておきたい.ただ,代替医療という現在進行しつつある社会事象の情報収集を,まずは街を歩くことから始め,そこに見えてくるホメオパシーの周辺事情を入り口としていくことにする.
唐突で申し訳ないが,ここでパリの街の悪口に少しだけおつきあいいただきたい.パリに行くたびに決まってうんざりさせられることがある.その一.喫煙者が老若男女を問わず多く,しかも堂々と吸う.歩きたばこ,しかり.道ばたで知り合いと出会っておしゃべりの間もプカプカ.果てはみんなの集う,街のカフェでも楽しげな話に煙草の花(?)も咲く.とくに夕方のにぎわう時間になると紫煙で5メートル先もかすんでしまうこともある.たまたまそんなカフェで仕方なく夕食をとろうと椅子に掛け「やれやれ」とため息をついているとき,隣に強い香水をつけたカップルが来ようものなら….悪口その二.トイレである.公共のトイレが汚い.話題が話題だけに具体的なことを書きたくないが,そうでないとわからない.
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