連載 今日から始めるDevelopmental Care 一歩先行く援助者を目指して・12【最終回】
求められるチーム医療
内田 美恵子
1
1長野県立こども病院看護科
pp.252-255
発行日 2006年3月1日
Published Date 2006/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1665100071
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はじめに
いよいよ連載も最終回になりました。この連載の最後になぜチーム医療なのか? 皆さんにはもうおわかりのことと思います。私たち医療者や家族が望む“小さな後遺症も残すことなく,赤ちゃんが元気に育つ”という結果を導き出すには,医師と看護師が献身的に頑張るだけでは限界があります。
今回の連載では,医師,看護師,理学療法士の方々が執筆にあたりました。そのほかにもNICUでは,さまざまな職種の協力によって治療やケアが行なわれています。そのおかげで小さな赤ちゃんの救命率は高くなっています。しかし,中村らの報告では1990年以降,注意欠陥多動障害や認知障害を伴う学習障害など,社会適応がうまくいかない高次脳機能障害の割合は低下していません1,2)。
藤村は「超早産で出生すること自体は子どもの健全発育・発達の障害にはならないが,未熟性に起因する呼吸・循環・消化・代謝などの機能不全を補う方法は確立しておらず,入院・加療自体が発達に及ぼす影響も未解明である。また乳児期の家庭保育への支援も重要である」3)とし,我々が行なわなければならない課題を示唆しています。
こうした課題を解決するためには,場面に応じて構成メンバーを変化させて対応できるチームが必要であり,それらのチーム編成や活動をコントロールするシステムの開発が必要です。
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