学会だより 第54回日本医学検査学会
求められているもの~それはチーム医療とマネージメントできる臨床検査技師
小林 加奈
1
1聖マリアンナ医科大学病院臨床検査部
pp.921
発行日 2005年8月15日
Published Date 2005/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542100181
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第54回日本医学検査学会は新緑が目に眩しい国立京都国際会館を中心に5月13日(金),14日(土)の2日間にわたり開催されました.メインテーマは「知恵と創造の未来をめざす」とし,経済的にも厳しい昨今,新しい知識,技術にふれ知恵と工夫で一層の発展と創造の未来をめざしていこうという流れが感じられました.
シンポジウムⅡでは「これからどうする感染症検査室」と題して,様々な立場や視点からこれからの微生物検査室について提案をされました.検査センターは初期治療には不向きなため,塗抹検査や抗原検査などの迅速検査は院内で行うべきであり,医師からの信頼を得るには同じ目線と立場で診断・治療に本当に役立つ情報の提供が不可欠であること,そのうえで収益性に変わる付加価値が必要であり,不要過剰な検査を行わない技師の自覚とマネージメントが重要と話されました.また,チーム医療~他職種とのコラボレーションでは,看護師との連携が最重要であり,謙虚な気持ちでチームの一員としてコミュニケーションをとっていかなければいけないことや,臨床検査技師として活躍の場は検査室内だけではなく,創傷管理や栄養管理などチーム医療の一員として様々な分野があることが分かりました.シンポジウムⅣでは「検査室からの抗菌薬療法支援」として,抗菌薬治療の実際と日本におけるNCCLSガイドライン適応の限界,PK/PD理論を用いた検査室からの新しいアプローチについて活発な討論がなされました.その中でこれからは臨床評価できる臨床検査技師として,1名の技師が1症例を追いかける必要があるのではと提案されました.
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