連載 やさしい社会保障 政策はだれのもの?・2
米百俵はどこへいった?
八神 敦雄
1
1厚生労働省雇用均等・児童家庭局
pp.146-148
発行日 2006年2月1日
Published Date 2006/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1665100048
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又蔵一家のいさかい
又蔵じいさんは家族思いだ。孫の一朗の教育費に,と長男の太郎に仕送りを欠かさない。その代わり,一朗の成績を見せろとか,やれ塾へ行けだのとおせっかいが過ぎると,太郎もやや辟易している。太郎は本当を言えば,そろそろマイホームを購入したいと思っているので,実は又蔵さんからの仕送りもそれに少しばかり充てたいと思っている。
又蔵はもう1人の孫の秀喜にも教育費を送っている。秀喜の父親の次郎は,少し生活に困っている。勤めている会社の経営が思わしくなく,今年のボーナスは支給されなかった。見かねた又蔵は,次郎の住む借家の家賃と,さらに生活費の足しにとお金を送っている。つまり又蔵は,次郎には,教育費と家賃と日常生活費の3種類の仕送りをしていることになる。
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