特集 病院でできる,産婦にやさしい分娩体位
産婦にやさしい分娩体位
②立位,水中出産の介助のポイント
有岡 美子
1
1医療法人菫風会佐野病院
pp.30-33
発行日 2006年1月1日
Published Date 2006/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1665100023
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はじめに
お産の介助をするということは,お産の環境を考えることから始まっていると思います。そのお産の環境とは,生活環境を考えることに似ていると,最近痛切に感じるようになりました。
生活環境は,個々,時代,住む場所,季節など,多くの事柄により異なってくるでしょう。いろいろな生活環境でしょうが,「家に帰るとくつろげる」「顔見知りの人がいると,ホッとする」など,人間,安堵する瞬間は共通したものがあるのではないでしょうか。
出産もそのような環境のほうが,より自分らしく迎えることができると思います。もちろん,空間だけの問題ではなく,衣食住,社会,家族関係など,ほかの多くの要因が出産には関係してくると思います。私たちが行なっている分娩介助とは,ただ,赤ちゃんを取り上げることだけではなく,その人と家族の生活環境を感じ,母親の声,赤ちゃんの声を聞きながら寄り添うことであると思います。自由なお産の介助とは,そういう環境のなかから生まれてくるのでしょう。
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