連載 りれー随筆・241
助産師として,母として
杣澤 実枝子
1
1牛久愛知総合病院(茨城県)
pp.84-85
発行日 2005年1月1日
Published Date 2005/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1665100018
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助産師学校の1年
助産師として仕事を始めて25年,いつの間にか時間が過ぎてしまったように思います。介助した分娩の数は1,000件を超えたと思います。新人の頃は自分の分娩台帳を記録していましたが,結婚し子育てに忙しくなり記録するのを止めてしまいました。
中学3年の時,学校の掲示板で見つけた衛生看護科のポスターがきっかけとなり,看護師から助産師へとなりました。15歳で進路を決めたわけです。何か手に職を持ちたかったということと,女性にしかできない仕事をしたいと思ってのことでした。でも,進路を決めるには早すぎたのではと学生時代は後悔することもしばしばありました。特に,助産師学校の1年間は厳しかったです。グループワークに実習,受け持ち事例とのかかわりなど,大変な日々でした。徹夜でレポートの作成に追われ,寝る時間もないほどでした。いまだから言えますが,実習がいやになりさぼって映画を見に行ったこともありました。最後の受け持ち事例が退院した時は,正直,ほっとしたことを思い出します。大変な1年でしたが,この1年があったからいまの自分があると思います。そして,すばらしい先生や友人たちとの出会いも,この1年が与えてくれました。
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