連載 「おも★けん!」新任期でもできる!おもしろ健康教育のつくり方・15
参加者の意欲をオンにする!—効果的な会場設営のコツ
伊藤 純子
1
,
高橋 佐和子
2
,
一般社団法人おもしろ健康教育研究所
1静岡県立大学看護学部
2神奈川県立保健福祉大学看護学科
pp.756-759
発行日 2021年9月10日
Published Date 2021/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1664201733
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会場設営の工夫で場の雰囲気が変わる
健康教育が巧みな保健師の動きをよく観察してみてください。事前準備,特に会場設営には,かなり気を配っていることが分かります。参加者の着席する場所や椅子,机などの配置を変えるだけで,会場の雰囲気や参加者の意欲は変わります。例として,特定保健指導や健康相談などの個別指導の場面では,対象者の真向かいよりも,90度から120度の角度で,正面から少しずらして座ると良い,と習ったかと思います。対象者の緊張が軽減され,本音で語りやすくなり,効果的な指導につながるからです。
また最近では,着席位置だけでなく会場の広さや色などが人の心理に与える影響を研究する「環境心理学」という学術分野にも注目が集まっています。優れた保健師は学術的な知見や経験を生かし,場や目的にかなった会場設営をすることができるのです。
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