調査報告
地域包括支援センター保健師が捉えた地域課題に対する解決方法
石田 梨絵
1
,
榊原 文
2
1公益社団法人益田市医師会立益田地域医療センター医師会病院
2島根大学医学部看護学科地域・老年看護学
pp.602-608
発行日 2019年7月10日
Published Date 2019/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1664201232
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はじめに
団塊の世代が75歳以上となる2025(令和7)年を目途に,高齢者が住み慣れた地域で安心して暮らしていけるよう地域包括ケアシステムの構築が推進されており,地域包括支援センター(以下,包括)はその実現に向けた中核機関として位置付けられた1)。地域包括ケアシステム構築のプロセスには,①地域の課題の把握と社会資源の発掘,②地域の関係者による対応策の検討,③対応策の決定・実行の段階があり2),地域課題に対する解決方法を明らかにすることは,地域包括ケアシステムの実現に向けて重要である。
地域包括ケアシステムの構築には,地域全体の課題を住民や関係機関と共有し,連携しながら共通の目標に向かう体制づくりが重要であり,この体制づくりは保健師活動の本質そのものであることから,地域包括ケアシステムの構築における保健師の関わりが期待されている2)。
包括の保健師の活動に焦点を当てた先行研究では,活動実態と課題3),地域住民と協力して行った個別支援の内容4),マネジメント機能5)や地域ネットワーク構築6-8),災害における支援活動9),介護予防における地域活動の視点10)などが明らかにされている。しかし,地域包括ケアシステムの実現に必要とされる地域課題に対する解決方法は明らかでなく,本調査では,包括の保健師が捉えた地域課題に対する解決方法を明らかにすることを目的とした。
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