連載 公衆衛生看護学の体系を事例で学ぶ・2
「公衆衛生看護学の体系」とは
荒木田 美香子
1,2
,
公衆衛生看護学会学術実践開発委員会
1公衆衛生看護学会学術実践開発委員会
2国際医療福祉大学小田原保健医療学部看護学科
pp.444-449
発行日 2019年5月10日
Published Date 2019/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1664201194
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公衆衛生看護学の体系が必要になった背景
筆者は1978年に看護師・保健師の基礎教育を終えたが,「公衆衛生看護学」という科目名称で学習した。しかし,大学の教員となった2001年では「地域看護学」の科目名で教えていた。そして,2012年以降は大学のカリキュラムを変更し,「公衆衛生看護学」の名称で教育している。このように見てくると,「教育機関の科目名や教科書の標題は変わるが中身はいったい何が違うのか」というのが,現場の保健師の声ではないかと思う。
日本公衆衛生看護学会(以下,本学会)は学術団体として,「公衆衛生看護学」とは何かを説明し,その学問体系を明確にする責任がある。そのため,まず2014年に学会として「公衆衛生看護」「公衆衛生看護学」「保健師」の3つの用語の定義を行った1)。その際には,公衆衛生看護の定義に続けて,公衆衛生看護学について「公衆衛生看護実践の向上に寄与する知識,技術,規範並びに理論の生成やその発展について考究する学問である」と定義している。
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