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山形県における在宅人工呼吸器装着難病患者の災害時移送システム「KINTシステム」—移送訓練からフローチャート・チェックリストの作成へ
菅野 真衣
1
,
須貝 緋登美
1
,
永野 功
2
,
川並 透
1
,
三浦 文子
3
,
高橋 加寿子
4
,
後藤 考秀
5
,
石澤 めぐみ
6
,
加藤 丈夫
7
1国立病院機構山形病院地域医療連携室
2国立病院機構宮城病院
3国立病院機構山形病院看護部
4山形県健康福祉部障がい福祉課
5日本ALS協会山形県支部
6村山総合支庁(村山保健所)保健福祉環境部
7山形市保健所
pp.363-365,416-420
発行日 2019年5月10日
Published Date 2019/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1664201188
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はじめに
国立病院機構山形病院は山形県の難病拠点病院として,医療ソーシャルワーカー(MSW)が県の難病医療専門員を兼務し,在宅で人工呼吸器を装着している難病患者(以下,難病患者)の平時のレスパイト入院の受け入れ調整を行っている。併せて,非常時の支援体制構築を推進してきた。
特に東日本大震災のような大規模災害時には,長時間停電等により,難病患者は生命の危機に直面することが予想され,患者を自家発電装置のある医療機関へ速やかに移送する体制作りが重要と考えられた。この実現のため,山形県と協力し,在宅難病患者災害時移送システム「KINTシステム」の構築を推進し,さらに運用のためのフロー(以下,フロー)と事前チェックリストの整備を進めてきたので,この取り組みについて報告する。
国立病院機構山形病院は,大規模災害などの非常時に在宅療養者を医療機関へ移送する,在宅難病患者災害時移送システム「KINTシステム」を県と協力して構築した。患者が契約するタクシー会社への講習や,患者の移送訓練とともに,運用整備を進めているところであり,このことについて紹介する。
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