連載 統括保健師の日々・26
—奈良県の場合③【最終回】—地区担当制の実現に向けた活動—保健師が果たすべき役割と期待
遠藤 多紀子
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1前奈良県医療政策部保健予防課
pp.517
発行日 2018年6月10日
Published Date 2018/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1664200961
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参事(主幹)の役職を持つ統括保健師として,5年間を駆け抜けてきました。前回までに述べたように,これまで保健師の人材育成や危機管理体制の整備に取り組み,総合的な保健医療福祉サービス体制を整備するために“奈良モデル”による市町村支援のあり方を追求してきました。
最後の1年では,地区担当制の実現に向けて活動しました。2013年4月に通知された「保健師活動指針」にも保健活動の方向性として盛り込まれたように,保健師の活動領域が広がり,果たすべき役割への期待が一層高まる中,保健師活動のコアを発揮できる体制として地区担当制の実施が望まれます。しかし,本県では保健所保健師の活動体制が業務分担制になってから約20年が経ち,地区担当制を未経験の保健師が過半数を占めています。そのため,地域の健康課題を総合的に見る目が脆弱化し健康課題が明確にできず,皆がジレンマを抱えている状況がありました。
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