活動報告
ノーバディーズ・パーフェクト育児支援に参加した母親の気持ちの変化—質的データの事業向上への活用
山脇 功次
1
,
後藤 あや
2
,
水野 美文
3
,
津富 宏
4
1社会福祉法人ヒューマンライツ福祉協会西成区障がい者基幹相談支援センター
2福島県立医科大学総合科学教育研究センター
3NPO法人place of peace
4静岡県立大学国際関係学部国際関係学科
pp.506-513
発行日 2018年6月10日
Published Date 2018/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1664200958
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はじめに
近年の少子化に伴う乳幼児に接する機会の減少,核家族化,近隣者との関係の希薄化により,母親が孤立して孤独感を感じやすい状況にある1,2)。母親の精神健康状態は子どもの健康に影響を及ぼし,育児支援は母親のみならず子どもの健康の維持増進につながることが報告されている3)。
また,グループ型育児支援プログラムが注目されており,母親の精神健康度への効果が報告されている4)。モデルプログラムの1つであるNobody's Perfect(ノーバディーズ・パーフェクト:以下,NPプログラム)は,カナダで開発,展開されている育児支援事業であり5),参加者同士の話し合いにより,体験を通して学ぶプロセス(体験学習サイクル)を促進する。NPプログラムの国内における適応とその短期的効果については既に報告してきた6,7)。これまでの事業評価から量的分析による知見は蓄積されつつあるものの,その背景にある参加者の気持ちの詳細については明らかにされていない。
そこで,NPO法人子ども家庭リソースセンターのNPプログラムとして認定を受けて実施している事業で,参加前後に収集したアンケートにおける記載内容をテキストマイニングの手法を用いて分析し,分析結果を踏まえて事業を向上するための検討を行った。
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