調査報告
カナダのNobody's Perfectを参考にした育児学級参加者の追跡―スクリーニングと長期支援のあり方について
後藤 あや
1
,
有馬 喜代子
2
,
佐々木 瞳
1
,
津富 宏
3
,
鈴木 友理子
4
,
山崎 幸子
1
,
川井 巧
5
,
安村 誠司
1
1福島県立医科大学医学部公衆衛生学講座
2福島県須賀川市健康福祉部健康づくり課
3静岡県立大学国際関係学部国際関係学科
4国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所成人精神保健研究部
5福島県立医科大学大学院医学研究科医学専攻
pp.1086-1094
発行日 2010年12月10日
Published Date 2010/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1664101497
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■要旨
育児に自信がもてない母親の割合は産後3~4か月の時点で5人に1人である。そこで,カナダで普及している育児支援モデルプログラム(Nobody's Perfect)を参考にした育児学級を,主に3-4か月児健康診査時に選定した母親を対象に,福島県須賀川市において実施した。短期的(産後9-10か月頃)には母親の気分と自己効力感を上げることをすでに確認しており,本調査では学級参加者の長期的転帰を,1歳6か月児健康診査票を用いて追跡した。
学級に参加した介入群は,ほぼ同時期に乳幼児健康診査を受診した対照群に比較して,9-10か月時では精神健康度の改善と並行して育児状況の改善割合が有意に高かったが,1歳6か月時では悪化割合が有意に高かった。健康診査の総合判定での要観察の割合も高く,観察項目は母親の心理支援が半数以上を占めた。以上の結果から,育児学級参加者の長期支援のあり方について検討した。
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