連載 ナカイタ発 保健師へのつぶやき・53
—“働く”を支える職場のヘルスプロモーション—企業・自治体における健康経営
中板 育美
1
1日本看護協会
pp.941
発行日 2017年11月10日
Published Date 2017/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1664200811
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「健康経営*」…… 企業の経営状態の健全性や安定性,どれだけの利益をもたらしているかと言った財務の健康状態の話ではありません。健康経営とは,企業の経営陣が従業員の身体的・精神的な健康に配慮をすることで,組織の活性化やさらには経営面でのリターンが期待されるものと捉えており,いわば企業の成長を支える経営手法の一環です。厚生労働省が進める「健康日本21(第二次)」の目標の1つである「健康寿命の延伸」に向けた取り組みにつながるものですが,健康経営の旗は経済産業省も大きく掲げています(2014〔平成26〕年〜)。内閣府も含め,省庁を超えて健康寿命の延伸に取り組まれていることが分かります。
健康経営は,健康管理を明確に経営方針に位置付けることで,従業員一人一人が大事にされているという感覚をもたらし,会社への愛着や仕事への意欲向上につなげることができます。これにより,生産性の向上,離職率の低下,従業員の医療費軽減など,企業にとって良い効果がもたらされるといわれています1)。
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