特集 健康まつり—創意と工夫のイベント
ヘルスプロモーションと健康まつり
新井 宏朋
1
,
岩崎 清
1
Hirotomo ARAI
1
,
Kiyoshi IWASAKI
1
1山形大学医学部公衆衛生学講座
pp.756-759
発行日 1991年11月15日
Published Date 1991/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401900454
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■はじめに
「ヘルスプロモーションと健康まつり」というテーマをいただいたが,今日的な表現で言えば,「ヘルスプロモーションのイベント作り」とした方が良いように思う.この原稿を書いている8月は,東北地方の夏まつりシーズンである.青森のねぶた,秋田のかんとう(竿灯),仙台の七夕と,この1週間の間に東北の著明なまつりが目白押しにならんでいる.山形の花笠まつりも大分有名になってきた.約1万人の踊り手が花笠を手に「ヤッショ,マカショ」の掛け声に合わせて山形市のメーンストリートを踊ってゆく.山形大学医学部のチームも毎年参加しているし,昭和59年の山形県地域成人病総合対策開発事業には「健康を築く花笠踊り実践活動」が取り上げられていた.山形保健所の踊り手チームが,まつりの参加団体に成人病予防の実践活動を呼び掛けたり,踊りながら成人病予防のパンフレットを観客に配って歩いた.東北地方の夏まつりは,農民の生活観や生活形態に根ざした宗教的行事から始まったものであろうが,今日では全国から大量の観光客を集めるビッグイベントに変身している.
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