研究
行政保健師の現任教育に関する保健師教育機関の関わりの特徴―研修に着目した国公立と私立大学による関わりの比較
鈴木 良美
1
,
岡本 玲子
2
,
野村 美千江
3
,
村嶋 幸代
4
1東邦大学看護学部
2大阪大学大学院医学系研究科
3愛媛県立医療技術大学保健科学部
4大分県立看護科学大学
pp.866-872
発行日 2016年10月10日
Published Date 2016/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1664200546
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■要旨
行政保健師のさらなる実践能力向上のため,体系的な研修体制の構築や保健師教育機関の関わりが求められているものの,その全国的な現状は明らかになっていない。そこで,行政保健師の現任教育に関する保健師教育機関の関わりの特徴を明らかにすることを目的に,全国保健師教育機関協議会会員校を対象に質問紙調査を実施し,52校(国公立25校,私立27校,回収率29.2%)から回答を得た。
その結果,現任教育への関わりの割合は,私立よりも国公立のほうが有意に高かった。研修への関わりの特徴を分析した結果,国公立ではすでに長期的で幅広い対象へ研修を行っている機関も多く,今後それをいかに体系化し継続していくかが課題であると考えられた。私立では,各校や教員の独自性を活かした取り組みが多く,その推進が期待できる。教育機関が現任教育へ関わることは保健師のみならず,教育機関の教育・研究等にも効用をもたらしており,さらなる広がりが望まれる。
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