特集 現場が求める保健師教育
保健師の卒後教育,現任教育のあり方
佐伯 和子
1
1北海道大学大学院保健科学研究院
pp.566-570
発行日 2010年7月15日
Published Date 2010/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401101841
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はじめに
就業保健師数は,平成20年末就業届出では43,446人である.平成21年度保健師活動領域調査1)では,地方自治体の常勤保健師数は31,699人である.保健師の就業分野は,介護保険などの福祉分野,産業分野へと拡大し,一方では,非常勤での勤務者が増加している.健康課題の複雑化・困難化,雇用形態の多様化により,保健師の現任教育の課題は多様化している.
保健師の現任教育体制は,平成14年度地域保健従事者の資質に関する検討会報告書2)以降,徐々に整備されつつある.保健師活動基盤調査3)によると,新任研修の受講経験は全体で8割,20代前半では9割であり,新任研修は浸透してきた.しかし中堅研修は約1/3,管理研修は約1/2の者に受講機会がなかった.現任教育の重要性は認識されてきたが,教育体制の整備と指導者の育成が課題である.
本稿では,保健師の卒後教育および現任教育の重要な課題として,新任期の卒後研修制度と現任教育,地区活動が展開できる中堅期の育成,人事管理・組織管理ができる管理者の育成,指導者育成と現任教育を推進するOJT体制の構築に向けての活動について述べる.
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