研究
特定健康診査継続受診とメタボリックシンドローム関連指標の関係―市町村国民健康保険被保険者における特定保健指導後の追跡調査から
小島 亜未
1
,
小川 靖子
2
,
加藤 佳子
3
1滋賀県立大学人間看護学部公衆衛生看護学
2守山市健康福祉部すこやか生活課
3神戸大学人間発達環境学研究科
pp.680-689
発行日 2016年8月10日
Published Date 2016/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1664200502
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■要旨
特定健康診査(以下,特定健診)および特定保健指導による効果の検証が注目されている。本研究では,特定保健指導利用後に継続的に特定健診を受診しているグループと継続的に受診していないグループのメタボリックシンドローム(Metabolic syndrome,以下,MetS)関連指標について検討することを目的とした。
対象者は,2008年(平成20)年度および2009年(平成21)年度に守山市で特定健診受診後に特定保健指導を利用した者のうち,4年後の検査結果のデータが得られた99名であった。身体測定値,血圧測定値および血液検査値について,各群の特定保健指導4年後の身体測定値,血圧測定値および血液検査値の変化を検討した。
その結果,動機づけ継続受診群では,体重,腹囲,拡張期血圧が有意に減少しており,HDLコレステロール(HDL-C)は有意に増加していた。しかし,動機づけ非継続受診群ではこれらの検査項目に有意な変化は見られなかった。積極的支援継続受診群では,LDLコレステロール(LDL-C)が有意に減少しているのに対し,積極的支援非継続受診群では,有意な変化は見られなかった。
以上のことから,特定保健指導後4年間,継続的に特定健診を受診している場合,MetSの改善状況がより良好であることが示唆された。
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