連載 ニュースウォーク・217
「補足意見」の読み方―認知症列車事故訴訟最高裁判決
白井 正夫
pp.426-427
発行日 2016年5月10日
Published Date 2016/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1664200444
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2年前,あの判決をニュースで知ったときは「おかしいヨ」と老妻相手に悲憤慷慨したものだ。重い認知症の男性(91歳)が,妻がうたた寝をした間に家を抜けて徘徊し,列車にはねられて死亡した。愛知県内の出来事で,JR東海が妻と遠隔地に住む長男に損害賠償を求めていた裁判である。
名古屋高裁は2014年4月,同居する男性の妻(当時85歳)に「重度の認知症者の配偶者として民法上の監督義務があった」と認定,「監督が十分でなかった」と賠償を命じた。離れて暮らす長男には見守る義務がなかったとして請求を退けた。
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