連載 保健師のための行政学入門・12
なぜ地方自治について最初の研修で学ぶのか?
吉岡 京子
1
1東京医科大学医学部看護学科地域看護学
pp.1052-1056
発行日 2015年12月10日
Published Date 2015/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1664200335
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公務員試験の勉強と入庁してからの研修
行政の保健師になりたいと希望する人は,一昔前の地方では「直接役所の人からスカウトされた」こともあったと聞くが,近年では必ず地方公務員の採用試験を受ける仕組みになっている。採用試験の多くは,筆記試験と面接試験の構成になっているが,筆記試験を突破しないと面接試験には進めない仕組みになっていることが多い。とくに大都市の場合,行政の保健師になりたい人は,事務職を希望する大卒の受験者と同じくくりで扱われることが多い。
このことは,事務職と同じ一般教養の試験に加え,専門科目として公衆衛生看護学や疫学などに関する知識を問う試験を受けることを意味している。この一般教養の試験は,皆様がすでにご存じの通り,かなり幅広い範囲の問題を短時間で解くことを要求される。実際に就職してみると,保健師といえども短時間でさまざまな事務処理をしなければならないので,ある一定程度の事務処理能力は不可欠である。採用試験にはそれなりに深い意味があると思っている。
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