連載 保健師のための行政学入門・6
なぜ公務員は定期的に人事異動させられるのか?
吉岡 京子
1
1東京医科大学医学部看護学科地域看護学
pp.520-524
発行日 2015年6月10日
Published Date 2015/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1664200192
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避けて通れない人事異動
公務員として奉職して最も驚いたことの1つが,人事異動に対する関心の高さである。3月中旬以降は,4月1日付の人事異動が発表される時期である。組織によっては,7月1日付や10月1日付で異動を発令するところもあるが,地方公務員の場合,最も多くの職員が異動するのはやはり4月1日だろう。読者の皆さんの中にも,急に異動になったので引き継ぎ資料を作るのが大変だった方がいらっしゃるかもしれない。
国家公務員にとっても地方公務員にとっても,人事異動は避けて通れないイベントの1つである。自治体ごとに異動年限と呼ばれる目安があり,早い人で1〜2年,平均的には概ね3〜5年ごとに職場を変わることになる。地方公共団体によっては,異動年限に達している職員は異動したい部署を記載した異動希望書を出す制度を採っているところもある。異動年限に達していても異動がなかった職員は,年度当初から「今年は異動がなかったけど,来年度こそは絶対に異動になると思う」と落ち着かない。
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