特集 これからの保健所と保健婦
Ⅰ保健所の現状と将来
身分を統一して異動を自由に
芦川 元子
1
1静岡県清水保健所
pp.43-44
発行日 1968年3月10日
Published Date 1968/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662204139
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1.現状の問題点について
1.機能について
現代当保健所での保健婦業務は地区分担で行なわれている面と,業務分担で行なわれている面とがあり統一化されていない。また地区への密着という点においてはまだほど遠い現状である。業務分担は主に結核患者と未熟児の管理について実施しており,保健所に届出のあった者に対して訪問しているが,それは全業務の20%程度にすぎず,地区分担についても1ケ月2〜3回の地区活動では,地区の把握,地区の人達との接近など出来にくい状態である。私が担当している結核のケースで訪問の度に迷惑そうに,押売でも追い払うような態度を示していた老人が突然脳卒中で倒れた,幸い軽かったので,手足に多少の不自由を残して正常の生活が営める様になった。脳卒中で倒れた時は訪問を凄くよろこんでくれた,藁をもつかむ気持ちで指導を受け入れ,今後も当地に来たらゼヒゼヒ訪問して下さいと,こん願するばかりの態度に変って来た。自覚症があったり後遺症があると非常に指導が受け入れられ易いが,無自覚,予防的な面に対しての知識等はなかなか理解されにくい。またこんな事例もある。未熟児を生んだある母親で一見知識もあり,経済的にも余裕のあるケースであるが,突然早期破水で未熟児を生んだ。
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