連載 町で暮らし人と出会う・20
小さな村の奪われし未来
森 まゆみ
pp.732-733
発行日 2012年8月10日
Published Date 2012/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1664101944
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震災後1年3か月。かつて5年間畑を耕していた宮城県丸森町へ向かった。畑を借りていたクラインガルテンを去るときに本を預かってくれたしのぶさんの家に,本の整理に行ったのだ。
丸森は宮城県南端の静かな里山で,東日本大震災でも津波の被害はなかった。峠を越えた福島県新地町,宮城県山元町,亘理町など海辺の町の人々を受け入れ,病院もてんてこ舞いだった。役場職員は,隣町の遺体安置所の当直をした。そして福島の南相馬市から被ばくを逃れてきた住民200名を廃校になった中学校に受け入れた。
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