FOCUS
原発災害復旧期のいま,保健師が知っておきたい放射線防護の基本
小西 恵美子
1,2
1鹿児島大学医歯学総合研究科
2長野県看護大学
pp.702-706
発行日 2012年8月10日
Published Date 2012/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1664101938
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はじめに
日本は今,昨年3月に起きた原子力発電所事故からの復旧の途上です。各地で除染の努力が続く一方で,不安を煽る情報が世に溢れ,人々の不安やストレスは現地からの距離に無関係に拡がっています。
原発災害下の健康管理は,主に施設内で事故処理や復旧作業に従事する作業者に対するものと,施設の外で生活する一般の人々に対するものに大別され,どちらも大変重要です。本稿は後者を焦点に,長く続く原子力災害復旧期に保健師が知っておくべき放射線防護の基本を述べます。
私は,放射線防護の研究・実践を30年間行った後,病院看護師を経て,看護の教育・研究に携わっています。第一種放射線取扱主任者の国家資格をもつ数少ない看護職者の1人として,看護師の放射線教育に長く関わっており1),現在国が抱える状況は看護の問題でもあると痛感しています。
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