特集 放射線被曝のアセスメント
放射線の防護
稲葉 次郎
1
1環境科学技術研究所
pp.425-428
発行日 2001年6月15日
Published Date 2001/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401902523
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
日常生活をする上で放射線との付き合いは意外に多い.医療などで放射線利用は今日の社会に定着しているということができる.その一方で,放射線を受けると,人体には健康上の影響がもたらされること,特に受ける線量が高い場合には放射線障害が現れることはよく知られており,放射線被曝に対して特殊な関心がもたれている.しかし,人間を含む生物は天然に存在する自然放射線環境の中で生まれ,進化してきた.管理された放射線や日常生活で出会うレベルの放射線を危険視する必要はない.
ここでは,放射線利用のための放射線の管理,すなわち放射線防護の基本的考え方について,現在世界的に大きな影響力を持つ国際放射線防護委員会ICRPの考え方にならって概説する.
Copyright © 2001, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.