連載 ニュースウォーク・168
医療再生の「点」と「面」―どうなる改革の方向性
白井 正夫
pp.242-243
発行日 2012年3月10日
Published Date 2012/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1664101827
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1枚の写真が1月9日の各紙に載った。東日本大震災被災地の福島訪問3回目という野田佳彦首相が,福島県の佐藤雄平知事に深く頭を下げている。「深く」の角度は新聞により異なるが,朝日新聞を見る限り机に頭をこすりつけんばかりの「深々」である。
首相が「深々」となる理由は東京電力福島第1原発事故で自ら発した「収束宣言」(2011年12月16日)にある。「原子炉の冷温停止状態が達成された」としての宣言だった。しかし,避難住民の帰宅もままならない。放射線量を軽減する除染作業も遅々として進まない。「収束」の言葉が福島県民のこころを逆なでし,県議会は全会一致で「収束宣言の撤回を求める」決議をした。
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