連載 衛生行政キーワード・88
難病対策の改革の方向性について
西嶋 康浩
1
1厚生労働省健康局疾病対策課
pp.502-504
発行日 2013年6月15日
Published Date 2013/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401102769
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はじめに
わが国の難病対策は,昭和47(1972)年に「難病対策要綱」が策定され,本格的に推進されるようになって40年が経過した.その間,医療の進歩や患者およびその家族のニーズの多様化,社会・経済状況も変化してきた.それに伴い原因の解明すら未確立の疾患でも研究事業や医療費助成の対象に選定されていないものがあることなど難病の疾患間で不公平感があることや,医療費助成について都道府県の超過負担が続いており,この解消が求められていること,難病患者の長期にわたる療養と社会生活を支える総合的な対策が不十分であることなどさまざまな課題が指摘されている.
そのため,厚生科学審議会疾病対策部会難病対策委員会は,今後の難病対策の在り方について一昨年9月より審議を行い,今年1月25日には「難病対策の改革について(提言)」を取りまとめた.本稿ではその内容について概説したい.
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