連載 知っておきたい,これからのメンタルヘルス・3
在宅介護者のうつ病とその対策
保坂 隆
1,2
1聖路加国際病院精神腫瘍科
2聖路加看護大学大学院
pp.250-253
発行日 2011年3月10日
Published Date 2011/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1664101558
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医療は2000(平成12)年の介護保険導入前後から,入院から外来へ,病院から在宅へと急展開しています。しかし,一方で,介護者の健康は,あまりにも軽視されてきたのではないかと思われます。私は数年前に介護保険が導入された直後に,在宅介護者500人と対照群500人の健康度を比較したところ,介護者は身体的な健康度が有意に多く損なわれていることがわかりました。また,実際に病気になって病院にかかっている介護者も有意に多いことが明らかとなりました1)。
そしてそれ以来,とくに有名人が介護が原因でうつ病になったことから「介護うつ」という言葉が定着し,元タレントが介護疲れで自殺をすると「介護自殺」などの言葉が使われるようになってきました。そこで数年前のことですが,私は厚生労働省の研究のなかで,それらの実態を改めて検証することにしました2)。
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