Japanese
English
研究と報告
うつ病者の膵機能について
Pancreatic Function of Depressive Patients
宮田 祥子
1
Sachiko Miyata
1
1京都大学保健管理センター神経科
1Dept. of Neuropsychiatry, Health Administration Center, Kyoto Univ.
pp.855-862
発行日 1974年10月15日
Published Date 1974/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405202226
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I.はじめに
早期診断が困難である膵癌の初期ならびに経過中に精神症状——とくにうつ状態,不眠,不安,涕泣発作,不穏,自殺意図など——が出現することは外国においては,しばしば報告1〜11)されており,膵癌の診断に役立つ症状として注意を払うべきだとさえいわれている。膵癌ほどしばしばではないが,再燃性膵炎,慢性膵炎,膵石その他の膵疾患においても精神症状を伴うものがあるといわれる5,10,12〜17)。さらに内分泌器管としての膵臓を考えるなら糖尿病のさいにうつ状態18)を示すものが多いことも注目されねばならない。著者はこれまで主として内科外来に現れるうつ病者に注目してきたが19),そのさい,膵障害を疑わせる症状を示すものが相当数あるという印象を持ち,うつ病者の膵機能について調べてみる必要があると考えた。いまだ少数例にすぎないがうつ病患者に膵機能試験を行い,若干の知見を得たので報告する。
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