調査報告
長崎県における「メタボリックシンドローム対策支援モデル事業」に関する報告―職場での男性に対する健康教室の効果について
中垣内 真樹
1
,
松尾 嘉代子
2
,
平野 清美
3
,
脇屋 薫
4
1長崎大学大学教育機能開発センター
2長崎県国保・健康増進課
3西彼保健所地域保健課
4上五島保健所地域保健課
pp.744-751
発行日 2010年8月10日
Published Date 2010/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1664101438
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■要旨
長崎県における職域の男性を対象としたメタボリックシンドローム対策支援モデル事業の効果を検討した。対象者は腹囲85cm以上のS市役所およびK社に勤める男性職員であった(S市役所:10名,36.4±9.0歳,K社:19名,42.9±10.8歳)。特定保健指導を想定して月1回,1回あたり約2時間,計6回の健康教室を開催した。教室は運動指導と食事指導を併用した。プログラム前後で体重,腹囲はS市役所の対象者で約3kg,約4cm,K社の対象者で約1kg,約2cmの有意な改善を示した。また,質問紙による生活習慣についてはS市役所の対象者が5項目,K社の対象者が7項目に有意な改善がみられた。6回6か月コースと介入回数の少ない教室であったが,参加者の行動変容をはじめ,測定・検査項目に改善がみられた。少ない介入回数,モチベーションの維持が難しい長期間での介入で,行動変容や検査結果の改善がみられたのは,職員同士の支援や参加者同士の連帯感など,職域での教室であったことのメリットが大きく影響したためと推察できた。本モデル事業をとおして,職域での健康教室(保健指導)の意義が認められた。職場が一丸となって多方面から個々の健康を支援できる取り組みや組織・環境づくりが重要である。
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