連載 ニュースウォーク・140
後期高齢者医療制度――廃止へ―国民「選択」したが
白井 正夫
1
1元朝日新聞
pp.964-965
発行日 2009年11月10日
Published Date 2009/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1664101295
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「敬老の日」も近い休日,横浜・伊勢佐木町のギャラリーで「横浜百歳王 笑顔のクスリ」写真展を見た。写真家小野庄一さん(東京)が市内に暮らす100歳以上の36人をカメラにおさめた。パソコンに向かう人,踊りを楽しむ人。みんな笑顔を見せており,こちらの顔も思わずゆるむ。笑顔がクスリとは,誠に言いえて妙。そういえば全国で100歳以上の人が初めて4万人を突破したそうだ。みんな笑顔であればいいが。
官庁の年度統計がまとまる時期と重なって,このところ高齢者の医療環境に関するニュースがあふれている。「70歳以上の医療費は国民全体の44%」「後期高齢者医療保険料最高額は神奈川県」「高齢者への負担増で健保の7割赤字」。新聞に躍る見出しが,医療制度のキーワードは「高齢者」であることを伝えている。そして総選挙で民主党の歴史的勝利がもたらした「後期高齢者医療制度は廃止へ」である。
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