調査報告
自然災害発生時における保健師の派遣協力の実態と今後に向けての課題
奥田 博子
1
,
宮﨑 美砂子
2
,
井伊 久美子
3
1国立保健医療科学院公衆衛生看護部
2千葉大学看護学部
3前・兵庫県立大学看護学部
pp.810-815
発行日 2007年9月10日
Published Date 2007/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1664100849
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■要旨
大規模な自然災害発生時の保健師の活動体制の実態と,派遣協力のあり方についての実践的な知見を明らかにすることを目的に,全国自治体を対象にしたアンケート調査を実施した。
その結果,回答のあったすべての自治体において,自治体内において将来何らかの自然災害が起こりうることを想定していたが,災害に関する研修,マニュアル・ガイドライン策定などの実施率は低かった。また,マニュアル・ガイドラインを策定していても,応援・派遣支援に関して検討している自治体は少なかった。しかし,大規模災害の発生時,外部の保健師の支援を受け入れる場合,派遣する場合のいずれの立場においても,派遣に関する調整をはじめ,さまざまな困難があることは認識していた。
災害発生時,迅速かつ有効なマンパワーを集結し,効果的に専門性を発揮するために,応援や派遣に関する指針を明確に示す必要性が示された。
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