特集 自然災害と公衆衛生活動
災害発生時における保健師活動
井伊 久美子
1
1兵庫県立大学看護学部
pp.465-467
発行日 2005年6月1日
Published Date 2005/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401100102
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自然災害時の健康ニーズ
「災害にはパターンがある.しかし実際には,それが規模を変え,組み合わせを変え,時間的・空間的自由度を持って発生する」と言われている.これは被害が無秩序にアメーバーのように広がる面への対応が必要であることを意味している.1つの原因を探ってターゲットを絞り込んでいく感染症対策とは,大きく異なる対応のあり方が求められることとなる.
2004年10月に発生した新潟県中越地震時のK町の被災2週間の被災状況は,余震が続く中で,自宅が半壊,避難所も危険とされている住環境であった.そのような避難先の小学校や車の中で,ライフラインの復旧は電気を除いて他はなく,食事は支援物資の配給と自衛隊の炊き出しに頼りながら,水は配水車,トイレは仮設トイレ,風呂は自衛隊の仮設風呂を交代で使うなど,極めて制限された生活状況となっていた.
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