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連載 英国レポート 公衆衛生を担う保健師の価値・2
家庭訪問のエビデンスを調べたシステマティックレビューより
View from a systematic review on the home visiting evidence.
岡本 玲子
1
1岡山大学大学院保健学研究科
pp.632-636
発行日 2007年7月10日
Published Date 2007/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1664100818
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価値を示すには「エビデンスをつたえる」ことが必須
短期連載2回目の今回は,公衆衛生を担う保健師の価値について,英国の研究者Elkanらが2000年に発表した「家庭訪問の有効性に関するシステマティックレビュー」1)の結果を題材に考えてみたいと思います。
システマティックレビュー(系統的な文献検討)とは何かというと,エビデンス(根拠)にもとづくケアや活動を提供するために,手続きと手順を明確にして,あるテーマについてくまなく文献を探し,集まった研究を批判的に吟味して,その時点で最も有効な方法を明確にすることをいいます。エビデンスを「つくる」研究やそれを「つかう」活動は,従来からよく行われているのに対して,何がもっともいいかを客観的に「つたえる」研究が遅れていたことから,「エビデンスをつたえる」システマティックレビューが1990年代から英国のコクラン共同計画を筆頭に広がりを見せています。EBHやEBN(Evidence-Based Healthcare/Nursing)とともにいまや教科書に登場するほどです2)。
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