特集 乳幼児健診のキホンを確認! 子どもの成長・発達と検査の知識
検査内容を確認しよう●3歳児健診を例に
言語・心理・精神発達の検査
野中 信之
1
1香川こだま学園
pp.448-449
発行日 2004年5月1日
Published Date 2004/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1664100688
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検査の概略
健診の場での言語・心理・精神発達検査は,検査時間の制約のため,既製の発達知能検査からの抜粋版が多用される。筆者も従来,型はめなどの動作性検査と言葉の力をみる言語性検査との2元構成の抜粋版を用いてきた。しかし,言語性検査は子どもの全能力の最弱点を鋭敏に反映するものの,動作性検査では子どもの能力のどこを評価しているか判然としない感が残る。また2元構成では,抜粋の時点で標準化という正常児との対応関係が失われ,発達年齢がわかりにくくなる。そこで筆者は近年,言語性のみに1元化した表1の検査(検査I)と表2の問題行動の有無の観察との併用(方法I)に切り替えた。
検査Iは,ことばのテストえほん1)(テスト絵本)のテスト1と,新版K式発達検査2)中,最難である口頭質問とで構成される。そのため少ない器材と時間で子どもの発達年齢と発達指数(推定DQ)が推定可能である。
まずテスト絵本を出し「手はおひざ」などと集中させ,絵本終了後は「なぞなぞです」といい,口頭質問に移る。
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